常緑樹で黄色の花が華やかな『カロライナジャスミン』。
丈夫で手間が掛からず、初心者にも育てやすい『つる性植物』です。
夏の間に伸びる『つる』は密に育つので、『緑のカーテン』にする事もできます。
カロライナジャスミンの剪定、切り戻し、植え替えから挿し木などの栽培記録です。
目次
- 1- カロライナジャスミンの育て方
- 2- 花が終わってからの『切り戻し』のやり方
- 3-カロライナジャスミンの『植え替え』の時期
- 4- 植え替えで『同じサイズの植木鉢』に植えたい場合
- 5- 夏に『摘芯』をする方法
- 6- カロライナジャスミンの『水やり』のやり方
- 7-『肥料』の与え方
- 8- 病気予防の『マルチング』の効果とやり方
- 9- カロライナジャスミンの『置き場所』
- 10- カロライナジャスミンの『冬越し』の方法
- 11-『挿し木』で増やす方法
- 12-『挿し穂』の水やりの仕方
- 13-『園芸支柱』に誘引するコツ
- 今回使用した道具
1-カロライナジャスミンの育て方
カロライナジャスミンは、春に黄色の花をたくさん咲かせます。
日当たりの良い場所であれば、地植えでも、鉢植えでもよく育ちます。
苗は春に出回る事が多いです。
アメリカのカロライナ州原産の常緑樹で、花の香りが『ジャスミン』に似ている事から、『カロライナジャスミン』と呼ばれます。
しかし、ジャスミンティーに使う『ジャスミン』とはまったく異なる植物です。
花も根も植物全体が毒を持つので、食べられませんので注意が必要です。
毒はありますが、食べなければ特に問題はありません。
剪定や植え付けで、素手で持つのは大丈夫です。
つるが数メートルも伸びるので、フェンスなどに絡ませても素敵です。
関東などの暖地では、屋外で冬越しができます。
2-花が終わってからの『切り戻し』のやり方
春、『カロライナジャスミン』の苗を購入しました。
花が咲くのは、春の4月~6月ごろです。
花が終わってきました。
花の後、伸びたつるを支柱から全て外します。
株元の、新芽や葉のすぐ上で、剪定します。
切り戻しができました。
株元は葉がない場所もあります。
葉が無くても『新芽が出ている場所の上』で、切るようにします。
全ての枝を、同じ位の長さで切ります。
残すのは割りばしより、やや短い長さです。
だいたい15センチ程度です。
細過ぎる枝も、つけ根からきれいにカットします。
伸びすぎた枝を切って短くし、形を整える事を『切り戻し』と言います。
その後、夏に新しく伸びたつるに、翌年の春に花が咲きます。
3-カロライナジャスミンの『植え替え』の時期
カロライナジャスミンの植え替え時期は、一般的に3月位、または秋と言われています。
しかし花の前と、つるが伸びてしまった後は、植え替えに手間がかかります。
私は花が終わった後に、切り戻しと一緒に植え替えもしています。
今まで特に問題は起きていません。
根のまわりが早いので、年に一度、植え替えを兼ねて鉢増しをします。
今回は『今年初めて花を咲かせた、小さめのカロライナジャスミン』を鉢増しします。
だいたいひとまわり~ふたまわり程、大きい植木鉢に植え替える事を『鉢増し(はちまし)』と言います。
根がよく伸びるので、大きめの植木鉢を選びます。
根詰まりを起こすと元気がなくなり、花が咲きにくくなります。
枯れてしまう事もあります。
まず植木鉢に、鉢底石を入れます。
鉢底石は、後々の管理が楽なように、ネットに入れてあります。
土質はあまり選びませんので、花用の培養土を使いました。
水はけがいいように、腐葉土を2割ほど混ぜました。
カロライナジャスミンは、水はけの良い場所を好みます。
土を半分ほど入れます。
カロライナジャスミンを、古い植木鉢から外します。
植木鉢の周りを軽くたたいて、逆さまにして取り出します。
根についた古い土を、ひとまわりほど落とします。
黒くなってしまった根や、長すぎる根があれば切って整えます。
カロライナジャスミンを中央に置いて、周りに土を足します。
上から手で押さえて、株元を安定させます。
最後に植木鉢の底から水が出てくるまで、たっぷりと水やりをします。
カロライナジャスミンを地植えにする場合は、株元の土を広く盛り上げて、浅く植えます。
砂山のように土を盛り上げて、まわりの土の位置よりも高く植える事によって、水はけが良くなります。
4-植え替えで『同じサイズの植木鉢』に植えたい場合
カロライナジャスミンは根が良く育ちます。
2年め以降のカロライナジャスミンは、あまり小さい植木鉢では育てられません。
カロライナジャスミンを今の植木鉢と同じサイズに植えたい時は、根をひとまわりカットします。
取り出した根の土を落として、全体的にひとまわり小さくなるように、丸く刈り取ります。
元の植木鉢に戻したら、通常の植え替えと同じ手順で、新しい土を周りに入れます。
一見、意味がないようですが、根が更新されて元気になります。
地下の根と地上の枝葉は比例します。
根を切った時は、必ず地上の枝も短く切って、株の負担を少なくします。
地上部分を大きく育てたい場合は、地植えがむいています。
5-夏に『摘芯』をする方法
梅雨前に切り戻しをして、新芽をのばしています。
夏の間に適時、伸びた新芽の先を『摘芯』して、枝数を増やします。
葉の付け根に新芽が出ている場所の、1~2センチ上で摘芯します。
そんなに厳密にカットしなくても、大丈夫です。
摘芯した場所で新芽が枝分かれして、枝の数が増えます。
伸びてきた枝の先端を切って、枝数を増やす事を『摘芯(てきしん=摘心)と言います。
秋以降に切ると、花が咲かなくなりますので、注意します。
6-カロライナジャスミンの『水やり』のやり方
『地植え』のカロライナジャスミンは、植え付けから2週間ほどして根付いたら、特に水やりは必要ありません。
カロライナジャスミンは、『やや乾燥ぎみ』を好みます。
乾燥ぎみを好むと言っても、水やりの水の量を『少しだけ与える』というのは間違いです。
『乾燥ぎみ』とは、『水やりと水やりの期間』をやや長めにあける事です。
水を与える時は、たっぷりと与えます。
『植木鉢』は、土が乾いたらたっぷり与えます。
たっぷりの基準は、『植木鉢の底から水が出てくるまで』です。
植え付けてからの一週間くらいは、毎朝水やりをします。
条件にもよりますが、鉢植えは基本的に『夏は毎日』水やりをします。
春の花の時期は水が必要なので、2~3日おき程度で水やりをします。
秋になったら少しずつ水やりの間隔を長くしていき、冬は乾かしぎみにします。
時間帯は暑い季節は早朝、水やりの水がお湯にならない時間帯です。
逆に冬は、水やりの水が凍らない、暖かい時間帯に水を与えます。
いずれも植木鉢のサイズや、土質などの条件で左右されます。
日当たりもそうですが、強風が吹いた時には、植木鉢の土は乾きやすいので注意します。
7-『肥料』の与え方
肥料はつぼみが動き出す2月ごろと、暑さが収まった9月ごろに与えます。
9月の肥料は、来年の花の為の栄養です。
花の後は植え替えをするので、追加では与えていません。
肥料の種類は決まってはいませんが、緩効性肥料なども便利です。
水やりの度に、ゆっくり効く肥料を『緩効性肥料(かんこうせいひりょう)』と言います。
植木鉢の土の上に規定量をばらまいて、表面をかるく土と混ぜておきます。
肥料はいっぺんに与えようとせず、少しずつマメに与えます。
肥料が多すぎると、発生する成分で害虫を呼んでしまいます。
追加で肥料を与える事を『追肥(ついひ・おいごえ)』と言います。
私の場合はこの位の植木鉢で、だいたい1回に大さじ1杯ほど与えています。
液体肥料があれば、それを与えても大丈夫です。
地植えのカロライナジャスミンは、それほど追肥は必要ありません。
8-病気予防の『マルチング』の効果とやり方
水やりや雨の『水のはね返り』が葉につくと、病気の原因になります。
病気予防の為に、土の上を何かでおおう事を『マルチング』と言います。
マルチングは雑草の防止や、急激な乾燥予防にもなります。
ひと手間をかけておくと、お世話がとても楽です。
マルチングの素材は色々ありますが、通気性のある素材で水がよく抜ければ、基本的に何でも大丈夫です。
使用した事がある物で、一定の効果があった物をご紹介します。
防草シートは手軽で便利です。
瓦チップも意外と使えます。
親の友人などは、鉢底石を使っていましたヽ(゚Д゚)ノ
マルチング材と土の間に何か敷いておくと、管理が楽です。
私は植木鉢のサイズにカットした、不織布の防草シートを良く使っています。
排水口ネットなども便利です。
何でも大丈夫ですが、観葉植物では『見た目』も重要です。
見た目がきれいなマルチング材は、たくさんあります。
鬼胡桃の殻、ウッドチップやバークチップ、杉の皮などです。
少しお高いですが、やはりステキです。
マルチング材は汚れる前に、定期的に新しい物に交換します。
9-カロライナジャスミンの『置き場所』
春~秋のカロライナジャスミンは、日当たりと風通しの良い場所で育てます。
暑さや寒さに強いですが、鉢植えは冬は霜の降りない軒下などに非難させます。
地植えをする場合も、日当たりと風通しの良い、冬に北風があまり当たらない場所に定植します。
10-カロライナジャスミンの『冬越し』の方法
カロライナジャスミンは耐寒性があり、マイナス5度まで耐えます。
関東などの暖地では、屋外で冬越しができます。
冬越しのコツは『北風と霜が当たらない場所』に置いて、葉が痛まないようにします。
葉が痛むと、落葉まではしませんが、赤黒く変色する事があります。
11-『挿し木』で増やす方法
カロライナジャスミンは、『挿し木』で増やす事ができます。
春~初夏に、剪定した枝を使います。
『挿し木(さしき)』用の枝を、『挿し穂(さしほ)』と言います。
挿し穂は『乾燥させない』ように、切ったらすぐに水に挿しておきます。
挿し木に使う枝は、今年伸びた新しい枝を使います。
あまり細すぎず、花が今ついていない枝を選びます。
枝を10センチほどにカットします。
上の葉を3~4枚残して、下の葉を指でしごいて取ります。
上下に気をつけます。
土にさす切り口は、消毒したカッターで、ななめに切ります。
切り口が潰れないように、切れ味の良い物を使用します。
土は『挿し木用』の専用土を使いました。
土はあらかじめたっぷりの水で湿らせてから、容器に入れます。
土は他には、小粒の赤玉土などが使えます。
ホームセンターで苗を購入した時の、小さな植木鉢がありましたので再利用します。
ペットボトルや紙コップの底に、穴をたくさん開けた物でも代用できます。
その場合、容器は水が1センチほどたまる、トレーに乗せます。
挿し木用の容器に、鉢底石はいりません。
土は水やりを繰り返す事によって、だんだん固まってきます。
無くても大丈夫ですが、念のために『発根促進剤』を使います。
こちらは粉状ですので、挿し穂の『土に差す部分』につけてから土に挿します。
挿し穂は発根を確認するまで、絶対に抜いてみたりしてはいけません。
12-『挿し穂』の水やりの仕方
差し穂は直射日光の当たらない、『明るい日陰』に置いて発根を待ちます。
トレーに1センチほど水をためて、乾燥させないように注意します。
トレーを傾けて、水はできるだけ毎日変えます。
挿し木から1ヶ月後です。
緑のままの葉と、枯れてしまった葉があります。
先の方の新しい枝で、ある程度の太さのある茎が成功しやすいです。
枯れてしまった葉は、発根しなかった挿し穂。
緑の葉のものは、発根の可能性が高い挿し穂です。
植木鉢の底に、根が確認できました。
小さいですが、写真の左上の白い根です。
無事に発根をしてしばらくすると、鉢の底に白い根が見えるようになります。
根が育っていますので、普通の植木鉢に植え付けます。
初めて植木鉢に植える事を『鉢上げ(はちあげ)』と言います。
鉢上げの仕方は、通常の植え替えと同じです。
同じく花用の培養土に、腐葉土を少し混ぜました。
成長が早いので、少し大きめの植木鉢にしています。
最後に水をたっぷり与えます。
13-園芸支柱に『誘引』するコツ
挿し木苗を鉢上げしてから、4ヶ月がたちました。
行灯(あんどん)仕立てで育てます。
つるは摘芯をしながら、数本重なる程度に誘引すると、花が咲いた時に豪華です。
挿し木から立派な親株になるまで、だいたい2年ほどかかります。
現在、親株をひとつと、挿し木苗をふたつ育てています。
→大きくなりすぎアメジストセージ(宿根サルビア)の切り戻しと挿し木
今回使用した道具
- カロライナジャスミンの苗:ホームセンター
- 花用の培養土:ホームセンター
- 腐葉土:ホームセンター
- 剪定ばさみ:ホームセンター
- 発根促進剤、ルートン:通販
- 緩効性肥料、マグァンプK:通販
- 花ごころ、さし芽種まきの土:通販
- ネット:通販
- 排水口ネット:100均
- 植木鉢:100均
- 鉢底石:100均
- 園芸支柱:100均
- ワイヤー入りビニール紐:100均
- ゴム手袋:100均
- 小さい植木鉢とトレー:ホームセンター購入苗の再利用
- マルチング材、今回は瓦チップと不織布防草シート:ホームセンターと通販
- ジョーロ
- シャベル
- 花瓶
- ハサミ
- カッター