秋から冬にかけて、長く紫の花が楽しめる『宿根草』、サルビアレウカンサ・アメジストセージ。
とても生育旺盛で、丈夫で育てやすい植物です。
別名が多く
◆サルビアレウカンサ
◆アメジストセージ
◆メキシカンセージ
◆メキシカンブッシュセージ
◆ベルベットセージ
などとも呼ばれます。
アメジストセージの『植え替え』『切り戻し(摘芯)』と『挿し木』~開花までの栽培記録です。
目次
- 1- アメジストセージの育て方
- 2-『切り戻し』と『摘芯』の時期とやり方
- 3-『挿し木』での増やし方
- 4-『植え替え』の方法
- 5- アメジストセージが倒れる『支柱』の立て方
- 6-『鉢増し』で植木鉢を大きくしたくない場合
- 7-『水やり』の仕方
- 8-『肥料』の与え方
- 今回使用した道具
1-アメジストセージの育て方
秋のはじめから冬までの長い間、華やかな紫の花が楽しめる『アメジストセージ』。
水はけの良い、日なたを好むハーブです。
とても生育旺盛で、丈夫な植物です。
根がよく張るので、地植えをするか、なるべく大きめな植木鉢で育てます。
アメジストセージは『宿根草(しゅっこんそう)』です。
関東などの暖地では、冬に地上部分が枯れて、春にまた芽を出します。
植え替えは『春か秋』にできます。
秋に花が咲くので、成長前の春が適期です。
放置すると大株に育つので、コンパクトに育てたい場合は、初夏に切り戻しをします。
2-『切り戻し』と『摘芯』の時期とやり方
アメジストセージは生育旺盛なので、背丈が1メートを超えます。
放っておくと、大きくなりすぎます。
横にも伸びて、そのままにしておくと通路をふさぐほど育ちますので、初夏に『切り戻し』や『摘芯』が必要です。
6月末から7月ごろが適した時期です。
伸びすぎた枝をカットして、形を整える事を『切り戻し(きりもどし)』と言います。
また、枝の先の方をカットして、二股に分かれさせ、枝数を増やす事を『摘芯(てきしん)』と言います。
夏が過ぎてから切り戻すと、あまり花が咲きません。
タイミングが遅れないように、注意が必要です。
株元の『わき芽が出ているすぐ上』でカットしました。
残す高さは『15センチ』ほどで、『葉が2段』くらいです。
全ての枝を、同じような高さでカットします。
植物を切るハサミは、消毒をしたものを使用します。
カットした先端に、小さなわき芽が見えます。
切り戻す事で『わき芽』が、それぞれ枝になります。
枝の数が増えて、きれいな形になります。
切り戻してから10日がたちました。
あっという間に葉が増えて、大きくなります。
切り戻してから15日後です。
さらに成長して、ふんわり茂りました。
とても丈夫です。
3-『挿し木』での増やし方
切り戻した枝を、『挿し木』に使いたいと思います。
挿し木に使う枝を、『挿し穂(さしほ)』と言います。
挿し穂はある程度の太さと、長さがある方が根付きやすいです。
だいたい10~15センチほどあれば、挿し穂に使えます。
切り戻しをする時に、水の入った花瓶などを用意しておきます。
挿し穂が乾燥しないように、カットしたら『すぐに』水にさします。
時間を置かずに、挿し穂の準備をします。
土にさす下の部分の葉を、指でしごいて取ります。
葉が土の中に入ってしまうと、そこから腐ってしまうからです。
挿し穂を土にさしました。
たっぷり水やりをして、発根を待ちます。
土は赤玉土の小粒などがあれば、挿し木に向いています。
普通の花用の培養土でも大丈夫ですが、酸性の土は好まないので、必ず『新しい土』を使います。
日本の雨は酸性です。
庭の土は酸性になっている事が多いので、使わないようにします。
明るい日陰に置いて、根が出るまでは毎朝、水やりを忘れないように注意します。
最初の数日は、葉がしおれぎみになりますが、問題ありません。
4-『植え替え』の方法
アメジストセージを切り戻してから、2ヶ月がたちました。
すっかり大きく育ちました。
しかし真夏の暑さもあり、朝の水やりだけでは、夕方には葉が下を向いてしおれてしまうようになりました。
成長したアメジストセージには、植木鉢が小さくなってしまったようです。
植え替えて、植木鉢を大きくしたいと思います。
植え替えは、暑さが落ち着く『初秋』まで待ちました。
植え替えに適した時期は、『春と秋』です。
ただ、秋から花が咲きますので、可能ならば春の方がおすすめです。
10号の大きめの植木鉢を用意しました。
植木鉢の底に、鉢底石を入れます。
後々の管理が楽なように、鉢底石はネットに入れてあります。
まず植木鉢に、半分~3分の2くらいの土を入れます。
土は花用の培養土を使いました。
アメジストセージは、なるべく水はけの良い土で育てます。
植木鉢から外したアメジストセージを真ん中に置いて、周りに土を足します。
株元を上からしっかりおさえて安定させます。
その後、たっぷり水やりをしました。
アメジストセージは横向きにも成長します。
植木鉢を高くするとキレイです。
『鉢スタンド』を使います。
アメジストセージは『蒸れが苦手』ですので、植木鉢を高くするのは有効です。
5-アメジストセージが倒れる『支柱』の立て方
枝が倒れやすいので、『支柱』を立てると樹形を保てます。
この低めの支柱は、蘭の花用の『柔らかい支柱』を加工した物です。
植木鉢がもう少し小さい物でしたら、普通の『行灯仕立て』の園芸支柱でも大丈夫です。
茎は固くなって起き上がらないので、『支柱』は枝が伸びる前に立てておきます。
生育旺盛なので鉢植えの場合は毎年、株分けを兼ねて植え替えをした方が花が良く咲きます。
一方、ポリポットに『挿し木』をしたアメジストセージです。
新芽が伸びています。
小さすぎる枝以外は、きちんと根付いてくれました。
こちらも鉢上げをして、育てたいと思います。
丈夫ですので、挿し木も簡単です。
ただし『鉢上げ』→『鉢増し』→『摘芯』をして、見た目がよくなるまでには2年ほどかかります。
地植えの方が、手間はかかりません。
苗を初めて、植木鉢に植える事を『鉢上げ(はちあげ)』。
成長に伴って、植木鉢のサイズを大きくしていく事を『鉢増し(はちまし)』と言います。
6-『鉢増し』で植木鉢を大きくしたくない場合
アメジストセージを『鉢増し』せずに育てていくと、『根詰まり』を起こして枯れてきます。
『根詰まり(ねづまり)』とは、植木鉢の中が『増えた根でいっぱい』の状態の事です。
植木鉢のサイズを、これ以上『大きくしたくない場合』は、同じ植木鉢に根を整理して植え直します。
植木鉢から外したアメジストセージの根です。
根がいっぱいの状態です。
消毒をしたハサミで、丸くひとまわり小さくカットします。
土の中までハサミを入れて、根を切り取ります。
茶色の根や、長すぎる根も切っておきます。
通常の植え替えと同じ方法で、元の植木鉢に植えます。
空いたすき間に、花用の培養土を入れます。
根詰まりが解消されて、元気になります。
切り戻しを暑くなる前に行って、同時に根を整理して植え直すと簡単です。
7-『水やり』の仕方
秋、つぼみがつき始めました。
アメジストセージは『半日陰』でもそれなりに育ちますが、徒長ぎみになる事が多いです。
できるだけ日なたで育てます。
乾燥には強い方ですが、蒸れるのは苦手です。
夏の水やりは毎日しますが、春と秋は土が乾くのを確認してから、たっぷり与えます。
たっぷりの基準は、植木鉢の底から『水があふれ出てくるまで』です。
アメジストセージは『宿根草(しゅっこんそう)』です。
冬は地上部分が枯れ、越冬して、春にまた新芽が出ます。
葉が枯れてきたら乾燥ぎみにして、根ぐされしないように注意します。
冬は地上部分がありません。
根は生きていますが、たまに水やりをする程度で十分です。
8-『肥料』の与え方
花が咲きはじめました。
アメジストセージは『春と秋』に、肥料を控えめに与えます。
肥料は決まってはいませんが、緩効性肥料などが便利です。
肥料成分が『水やり』とともに、『ゆっくり溶け出す』肥料の事を『緩効性肥料(かんこうせいひりょう)』と言います。
土の上にばらまいて、表面を軽く土と混ぜます。
土の上に置くタイプの、『置き肥』でも大丈夫です。
鉢植えの場合は年に一度、植え替えをします。
植え替えの時に『元肥入り』などの土を使う場合は、さらに肥料は必要ありません。
植え付けの時に一緒に与える『肥料』の事を、『元肥(もとひ・もとごえ)』と言います。
アメジストセージの花の『紫色の部分』は、本当は花ではなく『萼(がく)』と呼ばれる部分です。
萼はフワフワしていてベルベットのようです。
別名が『ベルベットセージ』である語源です。
萼の下につく部分が、本物のアメジストセージの花です。
このアメジストセージのように花が紫色のものや、白い花のものもあります。
寒さが苦手なので、冬は二重鉢(にじゅうばち)と言って、植木鉢を二重に重ねて、株元に腐葉土などをたっぷりかぶせ、日なたに置いて保温します。
越冬後、春にまた新芽を伸ばしてくれます。
→うさぎのしっぽ【ラグラスバニーテール】の育て方【秋の種まき】栽培記録
今回使用した道具
- アメジストセージの苗:通販
- 緩効性肥料:通販
- 鉢底石を入れるネット:通販
- 花用培養土:ホームセンター
- 赤玉土:100均
- 植木鉢:100均
- 鉢底石:100均
- 鉢スタンド:100均
- ポリポット:再利用
- ハサミ
- ジョーロ
- シャベル