ブルーベリーは葉が落ちた『休眠期の冬』に、枝を切る、大きな剪定をします。
剪定した枝を使って、ブルーベリーの木を増やす事ができます。
手軽な『ペットボトル』と、100均の『ピートモス』という土を使って、挿し木をしました。
冬に剪定した枝を使った『挿し木』は、成功しやすいので、『初心者』にもおすすめの方法です。
挿し木苗を、一年後に鉢上げするまでの、成長記録です。
挿し木苗の『冬剪定』のやり方も載せました。
目次
- 1- ブルーベリーの木はどのくらい大きくなる?
- 2- ブルーベリーの『挿し木の時期』と『冬剪定の枝』の保存方法
- 3-『ペットボトル』での挿し木の仕方
- 4- 100均のピートモスで挿し木
- 5- 挿し木の『枝の太さ』はどのくらい?
- 6- 挿し木の枝の『切り方』
- 7- 挿し木の『置き場所』の日当たり
- 8- 挿し木の『水やり』の仕方
- 9- 挿し木が『発根』するまでの期間
- 10- 挿し木苗の『鉢上げ』の時期
- 11- 挿し木のブルーベリー『実がなる』のはいつから?
- 12- 挿し木苗の『剪定』は必要?
- 13-『太い枝と細い枝』その後の挿し木の経過
- 14- ブルーベリー挿し木苗『鉢上げ』のやり方
- 今回使用した道具
1- ブルーベリーの木はどのくらい大きくなる?
ブルーベリーは、春にかわいい白い花を咲かせ、その後おいしい実を収穫できる、落葉果樹です。
秋には紅葉も楽しめます。
木の高さは、大きくなっても人の背丈ほどで、低木で抑えられるので、家庭菜園で人気があります。
『土質』と『日当たり』さえ気をつければ、丈夫で初心者にも育てやすい果樹です。
我が家は『関東の暖地』です。
寒さに強くない、『ラビットアイ』という品種を育てています。
ラビットアイは、実が熟す前に、うさぎの目のように赤くなります。
『ラビット・アイ』と呼ばれる語源です。
北の地方では、寒さに強い『ハイブッシュ』という品種が向いています。
ラビットアイは、一本では実がならないので、必ず同じラビットアイ系の品種と、一緒に栽培をします。
ラビットアイは樹勢が強く、暖地では初心者にも育てやすい品種です。
2- ブルーベリーの『挿し木の時期』と『冬剪定の枝』の保存方法
寒くなると、ブルーベリーが葉を落として『休眠』します。
この時期に、枝を切る事を、『冬剪定(ふゆせんてい)』と言います。
1月に、ブルーベリーの『冬剪定』をしました。
ブルーベリーも、剪定をしないで放っておくと、とても背が高くなってしまいます。
切った枝がもったいないので、『挿し木』をしたいと思います。
『休眠ざし』の、挿し木の時期は3月です。
冬に切ったブルーベリーの枝は、春先まで保存しておきます。
挿し木には、新しく伸びた、太めの枝がむいています。
枝は『長いまま』保存します。
枝全体を『濡らしたキッチンペーパー』で包みます。
乾燥させない為です。
ふくらんでいる芽は『花芽(はなめ)』です。
『花芽』が春になると、花が咲き、やがてブルーベリーの実になります。
花芽が枝に付いていたら、カットしておきます。
花芽が付いたままですと、栄養を取られて、挿し木に失敗します。
花芽は『枝の先の方』についています。
ふくらんでいない芽は『葉芽(はめ)』です。
これは葉っぱになります。
さらにビニール袋に入れて、密閉をします。
2~3重にした方が、乾燥しません。
冷蔵庫の野菜室などで保存して、春先まで待ちます。
あるいは春に切った枝を、そのまますぐ、使用する事もできます。
挿し木の時期は、桜が開花する少し前です。
私は保存が面倒だったので、『徒長枝』を少し残しておいて、梅が咲いた頃にカットし、そのまま挿し木をしました。
『徒長枝(とちょうし)』については、後で説明します。
挿し木は『保存した枝』と、『春先に切った枝』の両方で、試した事がありますが、両方とも問題なく挿し木ができました。
3- 『ペットボトル』での挿し木の仕方
桜前線が近づいてきたら、保存していた枝を取り出して『挿し木』をします。
再利用の『ペットボトル』で、挿し木をしてみます。
2リットルのペットボトルを、上下ふたつに切ります。
『底部分』のペットボトルの入り口に、2~3センチ間隔で、1センチほどの切れ込みを入れます。
ペットボトルの上部を逆さまにして、底部分に差し込みます。
切れ込みを入れる事によって、ペットボトルを重ねた時に安定します。
フタには千枚通しなどを使って、水抜き用の穴を開けておきます。
4-100均のピートモスで挿し木
ブルーベリーの挿し木には、『ピートモス』と言う、酸性の土を使います。
ペットボトルの、逆さまにした上部に、ピートモスを入れます。
あらかじめ、たっぷりの水で湿らせておきます。
5- 挿し木の『枝の太さ』はどのくらい?
挿し木に使う枝を、『挿し穂(さしほ)』と言います。
挿し穂は『色鉛筆ほどの太さ』のものが、適しています。
細すぎても、太すぎても、良くないと言われています。
なぜ、細い枝や太い枝はダメなのか?
本当にダメなのか?
今回、『挿し穂の太さ』を3種類用意して、その後の成長の様子を、記録してみました。
6- 挿し木の枝の『切り方』
枝は10センチ程度の長さに、カットをします。
ハサミやカッターは、必ず消毒して使います。
カッターなどで、挿し穂の下部分を、ナナメに切ります。
新しい刃で、よく切れる物を使用します。
片方をナナメにカットしたら、反対側を少し短めに、やはりナナメにカットします。
挿し穂は、乾燥させないように、すぐに水につけておきます。
また、切った断面は、さわらないように、気をつけます。
ペットボトルに入れたピートモスに、挿し穂をさします。
半分くらいは、土に埋まるようにします。
7- 挿し木の『置き場所』の日当たり
挿し木をしたペットボトルは、『直射日光の当たらない』『明るい場所』におきます。
屋外でも、軒下がおすすめです。
我が家の『挿し木の置き場所』は、直射日光の当たらない、明るい『洗面所の窓辺』です。
水回りに置く事で、水やり忘れを防止しています。
夜の歯磨きタイムに、『ついでに水やり』が定番です。
8- 挿し木の『水やり』の仕方
水やりは毎日します。
根が出るまで、絶対に乾燥させないように注意をします。
ピートモスは軽い土ですので、水やりはそっとします。
ブルーベリーは乾燥にとても弱いので、水やりを忘れて放置しないように注意をします。
9- 挿し木が『発根』するまでの期間
発根までの期間は、挿し穂の状態によって違います。
一般的に、芽吹くまでは、1ヶ月ほどかかります。
さらに、発根までは、3ヶ月ほどかかります。
挿し木をしてから、20日ほどがたちました。
新芽が出てきました。
こちらは、太い枝と細い枝を、実験的に挿し木をしてみた状態です。
細い枝から、芽が出ています。
太い枝は、まだ芽吹いていません。
うまく発根すれば、地上部分も、枝が伸びてきます。
『地上の枝』と『地下の根』は比例しますので、枝が伸びれば、根も伸びているので安心です。
10- 挿し木苗の『鉢上げ』の時期
挿し木をしてから、6週間がたちました。
だいぶ暖かくなり、天気予報で、夜が冷え込まない事を確認して、屋外の軒下に出しました。
『風通し』を良くする為に、ペットボトルの側面の、高さを低く切りました。
葉がしげってきた時に、風通しが悪いと、病気の原因になります。
水やりは、『毎朝』に変更しています。
こちらの混合組も、太い挿し穂にも芽が出ました。
挿し木から、2ヶ月がたちました。
時期は、ゴールデンウィーク頃です。
混合組も育っています。
たくさん根が出たら、小さめの植木鉢に、植え替えます。
苗の大きさよりも、ひとまわり大きいサイズにします。
初めて植木鉢に植える事を『鉢上げ(はちあげ)』と言います。
今回は『仮』の鉢上げですので、ポリポットに植え替えました。
花などを売っている時に植えられている、ビニールの小さな入れ物です。
小さめの植木鉢でも、大丈夫です。
この時期の根は、発根していても1センチ程度な事が多いです。
根を痛めないように、そっと土をほぐします。
今回、鉢上げの土は、自作をしました。
鹿沼土とピートモスを、半分ずつまぜてあります。
この段階で、まだ肥料は入れていません。
向かって左側は、通常の挿し穂よりも、太かったり、細かったりした枝です。
右側は通常の、色鉛筆くらいの、太さの挿し穂です。
色鉛筆ほどの挿し穂は、数枚の葉が伸びています。
特に成長が良いわけではありませんが、悪くもありません。
こちらは『太い挿し穂』と、『細い挿し穂』です。
『細い』挿し穂は、色鉛筆くらいの物より、やや葉が少なめです。
『芽が出るのは早い』ですが、その後の成長はいまひとつです。
『太い』挿し穂は、勢いよく枝が伸びています。
『芽が出るのは遅い』ですが、その後の成長は早いです。
この段階では、『太い挿し穂』が、一番成長が良いです。
植え替えができました。
ポリポットに、鉢底石はいりません。
用意した土を、そのまま苗のまわりに、入れただけです。
このまま夏の間は、毎朝水やりをして、通常の冬の植え替え時期まで、育てます。
肥料は、通常より『半分くらいに水で薄めた』液体肥料を、2週間に一度ほど与えました。
なお、植え替え後の、肥料の開始は、植え替えてから2週間はあけます。
さらに『真夏は肥料は与えず』、水やりだけにします。
11- 挿し木のブルーベリー『実がなる』のはいつから
『挿し木』から育てた、ブルーベリーが収穫できるのは、3年後くらいからです。
2年くらいまでは、まだ赤ちゃんのブルーベリーの木なので、花は咲かせずに、体力を温存しておきます。
12- 挿し木苗の『剪定』は必要?
挿し木のブルーベリー苗も、成木と同じように、冬に剪定をします。
ハサミは必ず、ひと株ごとに、消毒してから使います。
成木と違って、『花芽を切って』、まず『木を大きくする事』を目的とします。
幼苗のうちに『花を付ける(=実がなる)』と、力つきて枯れてしまったり、いつまでも木が小さいままだったりします。
『切る枝』の種類は
ぷっくり膨らんだ『花芽』を、まず切ります。
『成木』は花芽を残しますが、『幼木』は花芽を全て切ります。
『花芽の下の方』は、ふくらんでいない『葉芽』なので、葉芽の1センチほど上でカットします。
その次に切る枝です。
『マッチ棒みたいな短い枝』は、1ミリも残さず、全て切ります。
このマッチ棒みたいな枝も、いちおう花芽です。
この枝からは、おいしい実は収穫できないので、成木でも切る枝です。
花芽の次に切る順番です。
枝の色が茶色く変色して、カサカサしています。
これは、枯れてしまった枝です。
枯れた枝は切ります。
折れた枝があれば、それも切ります。
その次に切る枝です。
30センチ以上、にょい~んと新しく伸びた、『長すぎる枝』も、半分くらいに切ってしまいます。
その時に、『葉芽』を見つけて、株の中心から『外向きについている葉芽』の、1センチほど上を切るようにします。
その後、外向きの葉芽が、外側に伸びて、株の中心が混みあわなくなります。
この勢いよく、長く伸びる枝を『徒長枝(とちょうし)』と言います。
『挿し木』には、もってこいの枝です。
下の株元(土の方から生えている)の枝に、『針金』みたいな細い枝が、ニョロニョロ生えてくる事も多いです。
細過ぎる枝は、根元から切っておきます。
株元の土から映える枝は、多くても5~6本までにします。
重なっている枝を見つけたら、どちらかを切ります。
この場合は、株の内側に向かって生えている、矢印の枝を切ります。
切る枝は、『内向きの枝』や『下向きの枝』です。
多少間違っても、大丈夫なので、必ず冬剪定はしておきます。
切らないで放置するのが、一番いけません。
13- 『太い枝と細い枝』その後の挿し木の経過
挿し木から9ヵ月がたちました。
防寒着が必要になり、紅葉している葉もあります。
当初、成長が一番良かった『太い枝』は、元気がありません。
木が固まって太いので、それ以上、太く成長できないようです。
挿し木から、11ヶ月がたちました。
真冬の2月で落葉しています。
細かい枝を、軽く切りました。
色鉛筆くらいの枝は、赤い新芽も見えます。
太い枝は枯れていたり、新しい枝をもありますが、新芽は見あたりません。
挿し木から、そろそろ1年です。
冬の『植え替えの時期』になりました。
太い枝からは、新たな枝が長く伸びています。
しかし、新芽はついていません。
根鉢をくずしてみました。
枯れてはいませんが、わずかな細根があるだけで、ほとんど発根していません
こちらは見込みがないので、廃棄する事にします。
太すぎる枝は、やはり挿し木には向かないようです。
こちらは、色鉛筆ほどの太さの枝です。
まぁまぁの根張りです。
挿し木に向いていると、言われる太さです。
色鉛筆よりも、やや細い枝です。
地上部分は頼りないですが、細根がびっしりと張っています。
地上部分が成長するのは、時間がかかりそうですが、伸びしろは感じます。
細過ぎる枝でなければ、挿し木はできそうです。
良い『挿し穂』がとれない時は、太い枝ではなく、やや細い枝を選んだ方が良さそうですね。
14- ブルーベリー挿し木苗『鉢上げ』のやり方
2月の半ば、だいぶ暖かい日が増えてきました。
芽が動き出す前に、ひとまわり大きい、植木鉢に植え替えをします。
今回も土は自作しました。
赤玉土と鹿沼土を、半々で使います。
ラビットアイは、この程度の土でも育ちます。
そこに堆肥を、土に対して、3~4割ほど混ぜます。
土はよく混ぜます。
ブルーベリーの専用土も、販売されています。
今回はスリット鉢なので、鉢底の穴を、排水口ネットでふさぎました。
そこに用意した土を、3分の1~半分ほど入れます。
中心に苗を置いたら、まわりに土を足します。
株元の土をしっかり押さえて、苗を安定させます。
最後にたっぷりと、水やりを、何度かします。
葉が展開する前に、株元をマルチングしておきます。
植物の株元の、土の上を何かでおおって、水の跳ね返りからの病気予防や、乾燥を防いだりする事を『マルチング』と言います。
マルチングは一般的な物であれば、何でも大丈夫です。
苗が小さいうちは、できれば地面から離した、高い場所に置いて、害虫や照り返しの熱から、保護をしてあげます。
一年目と同じように、水やりと、薄めの液体肥料で、成木まで育てます。
そして来年の冬に、また『鉢増し』と『冬剪定』をします。
大きく育って、実がなったら、また投稿します(*^_^*)
今回使用した道具
-
- 2リットルのペットボトル:再利用
- ポリポット:再利用
- 剪定ばさみ:ホームセンター
- スリット鉢:ホームセンターか通販
- 不織布シート:通販
- ピートモス:100均
- 鹿沼土:ホームセンター
- 赤玉土:ホームセンター
- 堆肥:通販
- 液体肥料:通販
- 養生シート:100均
- ゴム手袋:100均
- 排水口ネット:100均
- 千枚通し
- ハサミ
- カッター
- ジョーロ
- シャベル
- キッチンペーパー
- ビニール袋