ローズマリーは、暑さにも寒さにも強い、庭木に人気の低木です。
初心者にも育てやすい、丈夫なハーブです。
挿し木は気候の良い、『春と秋』が適期です。
今回はペットボトルで、簡単な『挿し木』をしました。
その後、挿し木苗を『冬越し』させて『鉢増し』をし、枝数を増やす為に『剪定』もしました。
挿し木~地植えが可能になるまでの、約1年半の栽培記録です。
目次
- 1- ローズマリーの育て方
- 2-『挿し穂』の作り方
- 3-『ペットボトル』で挿し木をする方法
- 4- 挿し木の『水やり』の仕方
- 5-『挿し穂』の置き場所
- 6- 挿し木苗の『植え替え』方法
- 7-『乾燥を好む植物』の水やりの方法
- 8- 植木鉢のサイズを大きくする『鉢増し』
- 9- ローズマリーの剪定と収穫のやり方
- 今回使用した道具
1-ローズマリーの育て方
爽快感のある良い香りがする『ハーブ』として、使い道がたくさんある『ローズマリー』。
『立ち性(たちせい)』の、普通の樹木のような形のローズマリーと、『匍匐性(ほふくせい)』の、地をはうように広がるローズマリーがあります。
『常緑』の『低木』で、種類にもよりますが、冬~春に花が咲きます。
花色も色々ですが、白や青系の花が多いです。
地植えにすれば、水やりや肥料の手間もほとんど無い、丈夫で育てやすいハーブです。
暑さにも強く、耐寒性もあります。
関東などの暖地では、普通に冬越しが可能です。
ローズマリーは『水はけの良い、日なた』で育てます。
大きくなったローズマリーは移植が困難なので、地植えをする場合は、場所を慎重に選びます。
香りを生かして消臭剤として使用したり、香辛料のように、肉料理に入れたりする事もできます。
一本あると、とても便利なハーブです。
数年たったローズマリーは、根元が木質化してきます。
木質化した場所からは新芽が出にくいので、定期的に挿し木などで、更新をしておくと安心です。
2-『挿し穂』の作り方
今回は『ペットボトル』で、簡単な『挿し木』をします。
夏越しの為に、梅雨前に剪定した、ローズマリーの枝です。
挿し木には『新しく伸びた枝』で、『ある程度しっかりした部分』を使います。
枝は切ったらすぐに、水を吸わせておきます。
乾燥させてしまうと、発根率が下がります。
まず『挿し穂(さしほ)』という、『挿し木』をする為の枝を作ります。
『10センチくらい』に枝を切ります。
下の方の葉は、指でしごいて取ります。
取った葉はハーブとして使えます。
消毒をしたカッターなどで、切り口をななめに切ります。
組織がつぶれてしまうので、ハサミは不向きです。
そしてまた、すぐに水につけておきます。
3-『ペットボトル』で挿し木をする方法
挿し木をする容器を、ペットボトルで作ります。
カッターで半分に切りました。
キャップにキリで『水抜き用』の穴を開けます。
飲み口を逆さまにして、重ねて使用します。
受け皿になる底部分に、『切り込みを何ヶ所か』入れておきます。
飲み口部分を重ねた時に、安定するようにする為です。
『逆さまにした飲み口部分』には土を入れて、『あらかじめ水で』湿らせておきます。
今回は、挿し木専用の土を使用しました。
赤玉土なども使用できます。
使わなくても大丈夫ですが、念のために発根促進剤を使用します。
挿し穂の切り口に、発根促進剤の粉をつけます。
水で濡れているので、よくつきます。
それを用意した、ペットボトルにさします。
一度割りばしなどで穴をあけて、そこに差し込むようにします。
ローズマリーの『挿し木』ができました。
4-挿し木の『水やり』の仕方
挿し木の鉢には、『毎朝』必ず水やりをします。
受け皿に水をためて、底面吸水をさせる事もできます。
その場合もなるべく毎日、水を交換します。
底部分が2センチほど水に浸かっていれば、水を吸い上げます。
水没させないように、気を付けます。
5-『挿し穂』の置き場所
挿し穂の置き場所は、直射日光の当たらない、明るい場所にします。
挿し木をしてから、約2か月がたちました。
挿し木をした3本の内、1本は枯れてしまいました。
他の2本からは、新芽が出てきました。
無事に発根してくれているようです。
6-挿し木苗の『植え替え』方法
植木鉢に初めて植え替える事を、『鉢上げ(はちあげ)』と言います。
植え替えは春か秋の、過ごしやすい時期に行います。
小さめの植木鉢を用意しました。
苗に対して植木鉢が大きすぎると、根ぐされしやすくなります。
土の量が多いと、乾燥するまでに時間がかかるからです。
土は花用の培養土を使いました。
ローズマリーは『水はけの良い土』を好むので、そこに2割ほど軽石の入っている、サボテン用の土を混ぜます。
今回は手元にあった土を利用しました。
腐葉土や軽石などを混ぜても、水はけが良くなります。
ただし、鹿沼土などの酸性の土は使いません。
ローズマリーは酸性を嫌います。
今回はベースに肥料入りの土を使ったので、更には肥料は混ぜません。
ローズマリーは、あまり肥料を必要としません。
肥料の与えすぎに注意します。
水はけを良くする為に、植木鉢に鉢底石を入れます。
植木鉢が小さいので、小さめの石を選んで、1センチほど入れます。
その上に、土を半分ほど入れます。
ペットボトルを逆さまにして開けると、根がたくさん出ていました。
ローズマリーは移植を嫌うので、なるべく根に触らないように気をつけます。
挿し木の専用土はサラサラ落ちて、根が痛みにくいです。
ローズマリーを中央に置いて、周りにそっと土を入れます。
土を入れたら、植木鉢全体を『トントンと軽く床に叩きつけるようにして』土を固めます。
鉢上げができました。
最後にたっぷりと水を与えます。
鉢上げをしたら『一週間ほど』は、直射日光の当たらない、明るい場所に置きます。
その後は屋外の日なたで育てます。
7-『乾燥を好む植物』の水やりの方法
水やりは『成長期の夏は、多め』に、『あまり成長しない冬は、乾燥ぎみ』にします。
ローズマリーは基本的に『乾燥ぎみ』を好みます。
乾燥ぎみを好むというのは、水やりの『水の量を少なくする』という意味ではありません。
水やりをした日から、次に水やりをする日までの、『間隔を長くする』という意味です。
水やりの際は、植木鉢の底から水が出てくるまで『たっぷりと』水を与えます。
水やりは『株元』の土の部分に、そっと与えます。
暑い時期や強風が吹いた時は、乾燥しやすいので、注意が必要です。
便利な方法は、水やりの前に『植木鉢を持ち上げて』重さを覚えます。
水が不足していると、植木鉢がとても軽いです。
重さがある時は、水やりを見送ります。
冬場は植木鉢が軽くなってから、1日ほど待った位で水やりをします。
また、苗が小さいうちは水切れに弱いので、少し気を付けて育てます。
ローズマリーは葉がしおれにくいので、水切れに気付きづらいです。
8-植木鉢のサイズを大きくする『鉢増し』
挿し木から一年がたち、無事に冬越しができましたので、植え替えをしたいと思います。
ひとまわり~ふたまわり、大きい植木鉢に植え替える事を、『鉢増し(はちまし)』と言います。
一回り大きい植木鉢です。
植木鉢に鉢底石を入れます。
鉢底石は後で管理がしやすいように、ネットに入れてあります。
ネットは排水口ネットなどが使えます。
元の植木鉢の底からは、ローズマリーの根が、出てしまっています。
少し植え替え時期が、遅かったようです。
茎を指ではさんで、植木鉢を軽く叩いて取り外します。
びっしりと根が回ってしまっていました。
今回は、梅雨直前の植え替えでした。
春先に植え替えをしておくべきでした。
この場合、根にあまり触らないように、そのまま植木鉢の中央にそっと置きます。
鉢底石が少しついたままですが、仕方がありません。
ローズマリーは根が痛むのを、とても嫌います。
まわりに土を入れていきます。
土は最初に使った花用の培養土に、手元にあった腐葉土を3割ほど混ぜました。
株元の土を押さえて、安定させます。
その後に、たっぷりと水やりをしました。
9-ローズマリーの剪定と収穫のやり方
鉢増しをして2週間ほどたったら、枝数を増やす為に、摘芯をします。
成長を促す為に、先端を切る事を『摘芯(てきしん)=ピンチ』と言います。
また、伸びすぎた全体の形を整えたり、込み入った枝を切って、風通しを良くしたりする事を、『剪定(せんてい)』と言います。
摘芯は、植え替えで調子を崩しているようでしたら、行いません。
暖かい成長期に、調子が良いようでしたら、新芽が伸びてきます。
株元の少し上、だいたい葉の部分を5~6センチくらい残して、摘芯をします。
切った場所から『枝分かれ』するはずです。
ローズマリーの剪定時期は、梅雨前と秋です。
剪定以外の収穫は、数本ずつであれば一年中できます。
まだ小さいうちは枯れてしまう事があるので、あまり刈り込まないように気を付けます。
基本的に剪定をする枝は、昨年の古い枝です。
これには花が咲きません。
枝の付け根から、下の方の葉の部分を、『4~5センチほど残して』切ります。
ローズマリーを真上から見て、中心部分の『風通しが悪そうな』、込み入った場所があれば、元から切り落とします。
下に落ちた『葉や茎』は、病気の元になるので取り除きます。
摘芯から1ヶ月半がたちました。
わき芽が少し伸びてきました。
その後、夏になり成長してきました。
秋になりました。
元の枝もだいぶ太くなって、大きく育ちました。
もう一回り大きな植木鉢に植え替えるか、そろそろ地植えにしてもいいと思います。
地植えは害虫が多い場所でしたら、あと半年くらい大きく育ててからの方が安心です。
収穫したローズマリーはそのままでも使えますが、乾燥させておくとドライハーブとして保存ができます。
かわいいピンチハンガーなどに干しておくと、乾燥させる姿も楽しめます。
→ビオラをたくさん育てたい【秋の種まき】初心者も簡単プランター栽培
今回使用した道具
- ローズマリーの枝
- 挿し芽種まきの土:通販
- 花用培養土:ホームセンター
- サボテン用の土や腐葉土や軽石など:通販やホームセンター
- 発根促進剤:通販
- 鉢底石:100均
- 排水口ネット:100均
- 植木鉢:100均
- 手袋:100均
- ペットボトル:再利用
- キリ
- ジョーロ
- シャベル
- ハサミ
- カッター
- 花瓶