真夏の『猛暑』をものともせず、どんどん花を咲かせる『アフリカンマリーゴールド』。
丈夫で育てやすく、薔薇のような『大輪の花』が見応えがあります。
マリーゴールドは、ネコブセンチュウという『根の寄生虫』に効果がある、『コンパニオンプランツ』としても有名です。
我が家では害虫除けに、『家庭菜園』の株元に寄せ植えをしています。
マリーゴールドは『フレンチマリーゴールド』と言う、花の大きさが小さめな種類もあります。
大輪のアフリカンマリーゴールド『バニラ』と、シマシマ模様のフレンチマリーゴールド『ハーレクイン』の、『種まき』から開花までの栽培記録です。
目次
- 1- マリーゴールドの育て方『アフリカン種』と『フレンチ種』
- 2- マリーゴールドの『種まき』の時期と方法
- 3- 発芽の前後で『水やり』の仕方を変える
- 4- 苗の『間引き』のやり方
- 5-『鉢上げ』の方法
- 6-『肥料』の与え方
- 7-『園芸支柱』のヒモの結び方
- 8-『摘芯』のやり方
- 9- コンパニオンプランツとは
- 10- シマシマの『フレンチマリーゴールド』
- 11-『夏に咲かなくなった花』の肥料の与え方
- 12-『花殻つみ』と『切り戻し』の方法
- 今回使用した道具
1-マリーゴールドの育て方『アフリカン種』と『フレンチ種』
マリーゴールドは、春に開花してから晩秋まで、元気に咲き続けてくれます。
主な品種は
◆アフリカンマリーゴールド
◆フレンチマリーゴールド
◆メキシカンマリーゴールド
の3種類です。
『アフリカンマリーゴールド』は、大きめの花を『真夏』も元気に咲かせ続けます。
『フレンチマリーゴールド』は花が小さめで、『真夏』はいったんお休みをし、秋にまた開花を始めます。
『メキシカンマリーゴールド』は夏の暑さが苦手なので、夏越しをさせるのに工夫が必要なマリーゴールドです。
いずれも品種によって特徴にバラつきがあり、そのほとんどが寒くなると枯れる一年草です。
マリーゴールドは、『日当たり』と『水はけ』の良い場所を好みます。
『種まき』から育てるのも簡単で、手間もあまり掛かりません。
関東の暖地ですと、桜が咲く頃~梅雨前までの、暖かくなった時期に『種まき』をします。
種まきから、だいたい1ヶ月半~2ヶ月くらいで開花します。
春先から苗は出回りますが、苗から育てる場合は『遅霜が下りなくなってから』定植をします。
2-マリーゴールドの『種まき』の時期と方法
アフリカンマリーゴールドの種です。
バニラ色の大輪系のマリーゴールドです。
アフリカンマリーゴールドは、茎が太くて暑さに強い、真夏におすすめのお花です。
細長いマリーゴールドの種です。
花が終わって枯れた後に、茶色に変わると種ができています。
花びらの一枚一枚のシンのような部分が種なので、細長い形をしています。
今回は早春なので、『セルトレイ』と言う『種まき専用の容器』で育てます。
底にカッターで、十文字に切れ目を入れた『卵パック』でも代用ができます。
直まきでも大丈夫ですが、発芽温度が20度~25度位と高めですので、十分に暖かくなってから種をまきます。
トレーは100均のシューズボックスのフタを使います。
浅いトレーでしたら、何でも大丈夫です。
セルトレイをトレーに乗せて、土を入れます。
今回は『バーミキュライト』を使いました。
種まき用の土も、手軽で便利です。
土はたっぷりの水で、あらかじめ湿らせておきます。
セルトレイのひとつのボックスに、2つずつ種をまきました。
種の上には5ミリほど、薄く土をかけます。
種が流れないように、霧吹きで更に湿らせました。
発芽するまで『明るい日陰』に置いて、乾燥させないように水やりをします。
乾燥すると発芽しません。
また、水やりの時にセルトレイを『持ち上げてしまわないよう』に注意します。
持ち上げるとセルトレイの底から、土がこぼれ落ちてしまいます。
土は水やりを続けるうちに、だんだん固まってきます。
普通の花用の培養土でも種まきはできますが、必ず雑菌の入っていない『新しい土』を使います。
3-発芽の前後で『水やり』の仕方を変える
種まきから3日めです。
発芽しました。
芽が出そろったら、すぐに『日当たりと風通しが良い場所』に移動します。
日光が足らないと『徒長(とちょう)』と言って、茎が細長く伸びてしまいます。
徒長した苗は、頭でっかちで倒れやすく、病気にもなりやすくなります。
今回育てたアフリカンマリーゴールド『バニラ』は、フレンチマリーゴールド『ハーレクイン』よりも、やや遅れて発芽しました。
アフリカンマリーゴールドの方が『真夏の酷暑に強い』分、発芽にも高温が必要なようです。
発芽の前後では、『水やり』の仕方が違ってきます。
種まきをしてから、発芽するまでは、毎朝水やりをして『乾かさない』ようにします。
トレーの水は捨てずに、ためておきます。
発芽後も毎朝水やりは必要ですが、トレーの水はその都度捨てます。
夕方までには『だいたい』土が乾いているように調整します。
夕方になってもまだ水分が多すぎる状態でも、徒長してしまいます。
夏の水やりの時間帯は、『暑くなる前』のなるべく早い時間です。
暑くなってから水やりをすると、水がお湯になってしまい、枯れる原因になります。
4-苗の『間引き』のやり方
苗が育ってきて、『隣り合った葉どうしが重なって』きたら、『間引き』を開始します。
育ちのいい方の芽を残して、他の芽をつまみ取る事を『間引き(まびき)』と言います。
間引きで取る芽の基準です。
・葉と葉の間の茎が長い(徒長)
・茎が細かったり曲がっている
・葉の色が薄い
・他の芽より成長がとても遅い
・葉の形がおかしい
・葉が虫に食われている
などの芽を、抜き取ります。
指先でつみ取りますが、取りづらい場合は『消毒をした小さいハサミ』で根元から切ります。
『種まき~植え替え』までの間、『葉と葉が重なったタイミング』で、その都度、数回間引きをします。
最終的に、ひとつのボックスに、『芽がひとつ』になるようにします。
発芽から2週間がたちました。
本葉が展開しています。
発芽の時の『双葉(ふたば)の後』に生えてくる葉を、『本葉(ほんば)』と言います。
5-『鉢上げ』の方法
発芽から、ひと月ほどがたちました。
鉢上げをしたいと思います。
100均の植木鉢を使用します。
マリーゴールドは、水はけの良い場所を好みます。
植木鉢の底に、鉢底石を入れます。
鉢底石は後で管理が楽なように、ネットに入れてあります。
排水口ネットなども使えます。
植木鉢に半分~3分の2ほど土を入れます。
土質はあまり撰びませんので、花用の培養土を使用しました。
肥料入りですのて、肥料は他には追加せず、このまま植え付けます。
肥料が多すぎると、茂りすぎますので注意します。
セルトレイは連結していますので、ハサミでカットしておきます。
苗の茎を『中指と薬指の間にはさみ』、セルトレイを逆さまにして、苗を外します。
植木鉢の中央にそっと置いて、まわりから土を足します。
手のひらでまわりの土を押さえて、安定させます。
その後、たっぷり水やりをしました。
たっぷりの基準は『植木鉢の底から水があふれ出てくるまで』です。
根付くまでの一週間ほどは、半日陰に置いて、毎朝気をつけて水やりをします。
半日陰とは、1日の内に数時間だけ日光が当たる場所の事です。
西日が当たらない、家の東側などが向いています。
その後は日なたに移動して、植木鉢の土が乾いたら、たっぷり水やりをします。
日なたは土が乾きやすいので、真夏は毎朝の水やりが必要です。
地植えの場合は、根付いたら基本的に水やりは必要ありません。
何日も雨が降らない時に、水やりが必要な程度です。
6-『肥料』の与え方
種まきから2ヶ月がたちました。
花が咲き始めました。
このバニラの種類は、はじめ花びらが丸まって開花します。
その後、花びらが広がっていきます。
真夏でもまったく弱らず、大輪の花を咲かせ続けます。
あまりの花の多さに、雨が降ると重みで茎が下がるほどです。
植木鉢のような限られた空間では、次々に花が咲く植物は栄養が足りなくなります。
花の勢いが『弱くなってきた』と感じたら、追肥を開始します。
追加で肥料を与える事を『追肥(ついひ)』と言います。
この液肥ですと『キャップ1杯』を、10リットルの水で薄めてジョーロで与えます。
2リットルのペットボトルですと、キャップ5分の1杯の計算です。
『液肥 = 液体肥料』の与え方は、まず『植木鉢にたっぷり水やり』をします。
その後に、規定量に水道水で薄めた液肥を与えます。
目安は、2週間に一度くらいです。
ひと月に一回位、緩効性肥料を与える方法もあります。
水やりの度に、ゆっくりと溶け出す肥料を、『緩効性肥料(かんこうせいひりょう)』と言います。
植木鉢の上にばらまいて、表面をかるく土と混ぜておきます。
この位の植木鉢ですと、だいたい小さじ2杯ほどです。
肥料は迷ったら少なめに与えます。
後から追肥するのは簡単ですが、肥料を取り除くのは困難だからです。
肥料はいっぺんに、まとめて与えようとせず、成長の様子を見ながら『少しずつ、マメに』与えます。
肥料が多すぎると、害虫を呼びます。
地植えの場合は、それほど追肥は必要ありません。
7-『園芸支柱』のヒモの結び方
アフリカンマリーゴールドは『高性種(こうせいしゅ)』という、背が高くなる種類です。
早めに園芸支柱を立てます。
園芸支柱とワイヤーの止め方です。
茎にワイヤーをかけて、数回ねじります。
茎は成長して太くなりますので、ゆるみをもたせます。
園芸支柱側はしっかり固定します。
ヒモの余分な長さはカットして、安全の為に下側に向けておきます。
ヒモで固定する方法です。
茎にヒモをかけて、数回ねじります。
茎側はゆるみを持たせ、支柱にヒモの両端をかけます。
どちらか一本を、支柱に一回巻きつけます。
そのまま固結びをして、支柱側はしっかり固定します。
ヒモの切れ端は、1センチほどに切ります。
アフリカンマリーゴールド・バニラは花数が多いです。
行灯仕立ての支柱も、花の重みを支えられるのでおすすめです。
8-『摘芯』のやり方
『摘芯』をすると、株をコンパクトに育てられます。
マリーゴールドが、20センチ位に育ちました。
伸びた茎の先端を、指先でつまみ取ります。
これを『摘芯』と言います。
『摘芯(てきしん)=ピンチ』は、ある程度育った段階で、植物の『芽の先端』をカットする事です。
葉の分岐点の1センチ位上を切りますが、それほど厳密に考えなくても大丈夫です。
↓
摘芯をして、わき芽が伸びたマリーゴールドです。
背が低く育てられ、花数が多くなります。
9-コンパニオンプランツとは
マリーゴールドは『コンパニオンプランツ』としても有名です。
『コンパニオンプランツ』とは、2種類以上の植物を近くに植える事で『お互いに良い影響を与え合う』植物たちの事です。
マリーゴールドは一緒に植える事によって、ネコブセンチュウの予防になります。
我が家でも『家庭菜園のプランター』に、一緒に植えてあります。
10-シマシマの『フレンチマリーゴールド』
花がシマシマもようの、フレンチマリーゴールド『ハーレクイン』の種です。
種まきの時期は同じく、3月~6月頃です。
アフリカンマリーゴールドと同じように、セルトレイに種まきをします。
ひとつのボックスに2つずつ、種をまきました。
種まきから3日めです。
発芽しました。
発芽したらすぐに『日当たり』と『風通し』の良い場所に移動させます。
水やりの仕方も、アフリカンマリーゴールドと同じです。
発芽から5日めです。
間引きをしました。
発芽から17日です。
本葉が増えてきました。
発芽から23日めです。
そろそろ鉢上げをしたいと思います。
セルトレイの底から根が出ています。
これも鉢上げの目安です。
苗を植木鉢の中央に置いて、周りに土を入れます。
土も鉢上げの仕方も、アフリカンマリーゴールドと同じです。
最後にたっぷりと水やりをします。
水やりの水は、土に与えます。
葉に水の跳ね返りがあると、葉が病気になる時があります。
跳ね返りがないように、そっとゆっくり与えます。
11-『夏に咲かなくなった花』の肥料の与え方
鉢上げから1ヶ月、フレンチマリーゴールド・ハーレクインのひとつめの花が咲きました。
『シマシマ』のもようが、かわいいです。
フレンチマリーゴールドは、『真夏の猛暑の間』は開花が減ります。
秋になり涼しくなってくると、また復活します。
早めに開花していれば、開花が始まって1ヶ月ほどしたら『薄め』の液体肥料を与えます。
フレンチ種は『真夏に成長がお休み』しますので、効果が残らない液体肥料の方が安全です。
『開花を休んでいる真夏の間』は、肥料をストップして水やりだけにします。
暑さにじっと耐えているのに肥料を与えるのは、マリーゴールドにとって迷惑です。
肥料が余分に余っていると、害虫を呼んでしまいます。
開花が再開してからの追肥は、アフリカンマリーゴールドと同じです。
12-『花殻つみ』と『切り戻し』の方法
花が傷んできたら、その都度『花がら摘み』をします。
咲き終わってきた花は、『花の茎の付け根』から切り取ります。
花茎の付け根には、葉が出ています。
この1センチほど上で切る事によって、またそこからつぼみが出ます。
カットした部分から、新しいつぼみが出ています。
放っておくと種をつくる為に『余分なエネルギー』を使ってしまいます。
花殻つみをすると、花を長く楽しめます。
草姿がボウボウに乱れてきたり、育ちすぎたら『切り戻し』をします。
花殻つみと同じように、新芽が出ている少し上で、全体の半分くらいの高さに切ります。
丈夫で『挿し芽』が簡単ですので、我が家ではマリーゴールドの切った枝を、家庭菜園の植木鉢にさしておきます。
→夏に咲く花おすすめ【千日紅】ストロベリーフィールド種まき栽培記録
今回使用した道具
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