真夏に元気に咲いて、手がかからず初心者にも育てやすい『千日紅』。
花の少ない『真夏のおすすめのお花』です。
霜が降りる頃までずっと咲く、明るい赤の花は、ドライフラワーにしても色あせしにくいです。
千日紅『ストロベリーフィールド』の種まきから開花までの栽培記録です。
目次
- 1-『多年草』千日紅【ストロベリーフィールド】の育て方
- 2- 千日紅の『種まき』の方法
- 3- 発芽の前後で『水やり』の仕方を変える
- 4- 植木鉢に『鉢上げ』をする方法
- 5- 開花中の『肥料』の与え方
- 今回使用した道具
1-『多年草』千日紅【ストロベリーフィールド】の育て方
花の少ない真夏~晩秋まで、ずっと咲き続けてくれる千日紅(センニチコウ)。
手が掛からず、地植えにしてしまえば、水やりもほとんど必要ありません。
千日紅の発芽温度は20度~25度と高めです。
完全に暖かくなってから、種まきをします。
千日紅の中でも『黄花千日紅(キバナセンニチコウ)・ストロベリーフィールド』は、地下に球根を作り、毎年花を咲かせてくれる『多年草』です。
耐寒温度が3度程度ですので、関東などの暖地では、屋外で『冬越し』が可能です。
寒くなると地上部分が枯れて、初夏にまた新芽が出ます。
『ストロベリーフィールド』は、『ストロベリーフィールズ』とも呼ばれます。
千日紅は日なたで育てます。
2-千日紅の『種まき』の方法
千日紅『ストロベリーフィールド』の種です。
花びらのような薄羽がついています。
通常、発芽率を良くする為に、中の種を取り出して種をまきます。
薄羽の付け根の辺りに、小さい種が入っています。
今回は省略をして、このまま種まきをしました。
千日紅の発芽温度は高めなので、『半袖でも大丈夫』という温度で種まきをします。
関東の暖地ですと、『ゴールデンウィーク頃』が適期です。
今回は『セルボックス』で種まきをします。
種まき専用の容器『セルトレイ』の大きいサイズです。
プラスチック製の紙コップの底に、カッターで『十文字に切れ目』を入れた物でも代用が可能です。
ポリポットと言う『苗を購入した時の、ビニール製の入れ物』でも種まきができます。
まずセルボックスを『トレイ』に乗せて、土を入れます。
今回は『バーミキュライト』を使いました。
『種まき専用』の用土もあります。
こちらも手軽で便利です。
他には小粒の赤玉土などが使えます。
種まきの土に、肥料は必要ありません。
トレーは100均の『シューズボックスのフタ』を使いました。
浅いトレーでしたら、何でも大丈夫です。
土はあらかじめ『たっぷりの水』で湿らせておきます。
その時に、トレーに載せたセルボックスを『持ち上げない』ように注意します。
持ち上げてしまうと中の土が、底の穴から流れ出てしまいます。
土は『水やりを繰り返す』事によって、だんだん固まってきます。
通常の花用の培養土でも種まきはできますが、必ず雑菌の無い『新しい土』を使います。
容器の底に腐葉土を少し入れると、土がこぼれにくいです。
セルボックスのひとつの仕切りに、2~3個ずつ種をまきます。
土は『種が見え隠れする』程度に、ごく薄くかけます。
『明るい日陰』に置いて、発芽するまで水やりを欠かさないようにします。
乾かすと発芽しません。
日なたに置かないのは、水やりの水が乾燥しないようにする為です。
地面や植木鉢に『直まき』をする場合は、同じ場所に種を数粒まいて、発芽したら間引きをします。
直まきをする場所は、日当たりと風通しが良い場所を選びます。
3-発芽の前後で『水やり』の仕方を変える
種まきから3週間がたち、発芽しました。
通常は1~2週間ほどで発芽しますが、寒の戻りが続いて発芽が遅れたようです。
発芽を確認したら、すぐに『風通しと日当たり』が良い場所に移動させます。
日光に当てないと『徒長(とちょう)』と言って、光を求めてひょろひょろと『細長い茎』になってしまいます。
茎が細長いと、頭でっかちで倒れやすくなります。
徒長した苗は『病害虫に弱い』ので、必ずすぐに日光に当てます。
『発芽直後』に曇り空が続くと、やはり徒長してしまいますので、『天気予報のチェック』も必要です。
水やりは『発芽までは乾燥させないよう』にします。
『毎朝』水やりをして、『トレーの水は捨てず』に溜めておきます。
『発芽後』は、水やりの仕方を変えます。
水やりの後に、トレーの水を捨てます。
朝あげた水が、夜には『だいたい』乾いているようにします。
夜になってもまだ、水分が多すぎるようでも『徒長』してしまいます。
発芽から一週間です。
小さな本葉が出てきました。
発芽の最初の『双葉(ふたば)』の後に出てくる葉を、『本葉(ほんば)』と言います。
発芽から10日後です。
本葉が大きくなってきました。
発芽から25日後。
本葉が4枚になりました。
今回は寒の戻りで、発芽数が少ない状態でした。
通常は間引きをしながら、本葉が数枚になるまでセルボックスなどで育苗をします。
2~3回ほど間引きをし、定植するまでに『ひとつのボックスに苗をひとつ』にしていきます。
『間引きをする苗』の基準です
◆葉と葉の間の茎が長い(徒長)
◆茎が細い
◆葉の色が薄い
◆葉の形がおかしい
◆他の苗より成長が遅い
◆葉に虫食いがある
などです。
指先でつまんで取ります。
苗の間引きは『発芽~鉢上げ』をするまでの間に、『隣り合った葉の先が重なってきた時』に、その都度『数回』行います。
4-植木鉢に『鉢上げ』をする方法
発芽から1ヶ月がたちました。
本葉が4~5枚に増えました。
鉢上げをしたいと思います。
植木鉢に定植する事を、『鉢上げ(はちあげ)』と言います。
水はけがいいように、植木鉢に『鉢底石』を入れます。
鉢底石は後々の管理がしやすいように、ネットに入れてあります。
玉ねぎやみかんが入っているネットと同じ物です。
排水溝ネットなども使えます。
その上に、半分ほど土を入れます。
土質はあまり選びませんので、花用の培養土を使いました。
この土には肥料が入っていますので、追加で肥料は入れません。
植え付けの時の、最初の肥料の事を『元肥(もとひ・もとごえ)』と言います。
元肥入りの土には、『肥料入り』や『元肥入り』などと記載があります。
元肥が入っていない土には、肥料を混ぜます。
セルボックスは連結されているので、一つ一つに切り取っておきます。
セルボックスの底穴から、根が出ています。
これも鉢上げの目安です。
苗の茎を『中指と薬指の間』にはさんで、逆さまにしてセルボックスから外します。
セルボックスから外した苗は、土部分を崩さないように気を付けます。
植木鉢の中央に苗を置いて、周りにそっと土を入れます。
土を入れる時に、植木鉢のフチから2~3センチほどは空けておきます。
『ウォータースペース』と言って、水やりをした時に、少し水がたまる空間です。
土は後で少し沈みますので、考慮に入れます。
手のひらで土部分を上から抑えて、苗を安定させます。
その後に、たっぷり水やりをします。
『たっぷり』の基準は、『植木鉢の底から水が出てくるまで』です。
水やりの水は、土に与えます。
葉に『水のはね返り』がないように、『そっと、ゆっくり』水やりをします。
植えたての2~3日は半日陰に置いて、毎朝かかさず水やりをします。
『半日陰(はんひかげ)』とは、1日の内の数時間だけ日が当たる場所です。
西日が当たらない場所で、家の東側などがいいです。
その後は『日なた』で育てます。
植木鉢の場合、真夏は『毎朝』たっぷり水やりをします。
『風通し』と『日当たり』の良い場所で育てます。
千日紅を『地植え』する場合は、株間を25センチほど空けます。
植え付ける株と株の距離を、『株間(かぶま)』と言います。
地植えは土に腐葉土などを混ぜ、水はけが良いようにします。
地植えの場合は『定植から一週間位たって、根付いたら』、基本的に水やりは必要ありません。
何日も雨が降らないようでしたら、水やりが必要な程度です。
与える時は、たっぷりと水やりをします。
水やりの条件は、土地の状態や、日当たりの程度によって違ってきます。
なお『水やりの時間が、あまり取れない』場合は、地植えの方が水やりは少なくてすみます。
ストロベリーフィールドは背が高いので、早めに『園芸支柱』を立てます。
5-開花中の『肥料』の与え方
鉢上げから1ヶ月がたちました。
小さな花が咲き始めました。
この花が、たてに大きくなっていきます。
開花を始めた頃から、追肥を開始します。
追加で肥料を与える事を、『追肥(ついひ)』と言います。
千日紅の肥料は、少なめをこころがけます。
花が咲いているうちは、1ヶ月に一度くらい、緩効性肥料を与えます。
水やりの度に、ゆっくりと溶け出す肥料を、『緩効性肥料(かんこうせいひりょう)』と言います。
植木鉢の上にばらまいて、表面をかるく土と混ぜておきます。
規定量はこの位の植木鉢ですと
◆ひと月に1回位
◆だいたい小さじ2杯ほど
です。
肥料は迷ったら少なめに与えます。
後から肥料を追加するのは簡単ですが、肥料を取り除くのは困難だからです。
肥料はいっぺんに、まとめて与えようとせず、成長のスピードを見ながら『少なめに、マメに』与えます。
肥料が多すぎると、害虫を呼びます。
育たなくなったのを確認してから、肥料を与えても大丈夫です。
2週間に1度ほど、『液肥(えきひ)』を薄めて与える方法もあります。
この液肥ですと、10リットルの水に『キャップ1杯』です。
2リットルのペットボトルですと、キャップ5分の1杯の計算になります。
ちなみに苗が小さい内は、さらに半分ほどに薄めて与えます。
『液肥 = 液体肥料』の与え方は、まず『植木鉢にたっぷり水やり』をします。
その後に、規定量に水道水で薄めた液肥を与えます。
植木鉢は限られた空間なので、肥料が足らなくなると、花が少なくなります。
地植えの場合は、追肥はそれほど必要ありません。
花は長く咲き続けます。
草姿がボウボウに乱れてきたり、背が高くなりすぎたら、半分位に切り戻しをします。
ストロベリーフィールドは背が高いので、切り花にしても楽しめます。
『ドライフラワー』にしても色があせにくいので、フラワーアレンジメントの材料にも使われます。
ドライフラワーにする時は、花が茶色くなる前の、新しい千日紅から作ります。
痛みやすい葉を取って、茎を輪ゴムや麻ひもなどで束ねます。
それを『風通しの良い日陰』に、逆さまに吊しておきます。
1~2週間して完全に乾燥したら、できあがりです。
→夏の花壇におすすめ!花を長く楽しめる【ケイトウ】の種まき~開花まで
今回使用した道具
- 千日紅の種:通販
- ネット:通販
- トレー(シューズボックス):100均
- 植木鉢:100均
- 鉢底石:100均
- 園芸支柱:100均
- バーミキュライト:100均
- セルボックス:ホームセンター
- 花用の培養土: ホームセンター
- 緩効性肥料:ホームセンター
- ジョーロ
- シャベル
- ゴム手袋